「ストリップサイレンス」ウインドウで無音部分を削除する

「ストリップサイレンス」ウインドウでオーディオリージョンから無音部分を削除できます。基本的な処理は単純です。振幅の値が所定のしきい値を下回ればその部分をすべて削除し、それ以外の部分から新しいリージョンを作成します。

図。 「ストリップサイレンス」ウインドウ。

「ストリップサイレンス」ウインドウのパラメータは以下の通りです:

  • しきい値:無音ではない部分と見なす振幅レベルのしきい値で、これを基準にリージョンが決まります。リージョンの数や長さに影響する最も重要なパラメータです。通常、しきい値を高くすると、短いリージョンがたくさん作成されます。しきい値を低くすると、リージョンの個数は少なくなりますが、各リージョンは長くなります。

  • 無音として扱う最低限の時間:無音部分(振幅が「しきい値」未満の部分)が何秒以上続けばギャップと見なし、リージョンに分割するかを指定します。この値が小さいほど、リージョンの個数は多くなります。これは振幅が一瞬でも小さくなれば、無音状態と見なされてしまうからです。逆に大きめにすれば、振幅が多少小さくなっても、細切れにはなりません。

  • プリアタック時間:「ストリップサイレンス」処理で作成されたすべてのリージョンの先頭に定義済みのプリロール量を追加します。「しきい値」の値を大きめにすると、アタック時間が長い(立ち上がりがゆっくりの)場合に、先頭部分が無音と見なされてしまうのを防ぐことができます。ボーカルや管楽器、擦弦楽器など、打楽器系でない素材の場合にその傾向があるので、この機能が有効に働きます。リージョンの前に無音部分を追加した結果、直前のリージョンに重なってしまっても、「しきい値」の値を越えていなければかまいません。「プリアタック時間」を変更してもアンカー位置は変わりません。また、シーケンサーの時間軸上における、プロジェクトのオーディオデータの絶対位置も変わりません。

  • ポストリリース時間:すべてのリージョンの終了位置の自動リリース時間を定義します。徐々にフェードアウトする振幅が唐突に切れるのを避けることができます(特に「しきい値」の値を高くしている場合)。シンバル、オープンハイハット、リバーブテールの長いスネア、ボーカルなどに適用できます。このパラメータでは、重複は許可されません。つまり、リージョンの終了位置は、後続のリージョンの開始ポイントを超えることはありません。「ポストリリース時間」を変更しても、アンカー位置は変わりません。つまり、プロジェクト内のオーディオデータの絶対位置は変わりません。

  • ゼロクロッシングを検出:このチェックボックスを選択すると、リージョンの開始位置と終了位置が、波形の中で最も近いゼロクロッシング点に自動的にスナップされます。

「ストリップサイレンス」ウインドウを開く

  • プロジェクト・オーディオ・ブラウザで、Control キーを押しながらオーディオリージョンをクリックし、ショートカットメニューから「ストリップサイレンス」を選択します。

選択したリージョンから無音部分を削除する

  1. 「ストリップサイレンス」ウインドウのパラメータを設定します。

    図。 「ストリップサイレンス」ウインドウ。

    参考: オーディオファイルの素材に応じて、いずれのパラメータもリージョンの数と分割に影響を与えます。さまざまな値を試して、最良の結果が得られる設定を見つけてください。変更に合わせてリージョンのグラフィック表示がアップデートされます。

  2. 「OK」をクリックします。

    トラック領域で使用されているリージョンを選択すると、トラック領域にあるリージョンを新しいリージョンに置き換えるかどうかを確認するダイアログボックスが表示されます。

  3. 以下のいずれかの操作を行います:

    • トラック領域のリージョンを、「ストリップサイレンス」機能で作成したリージョンに置き換えるには:「置き換える」をクリックするか、Return キーを押します。各オーディオセグメントの相対的な時間関係は変わりません。

    • リージョンをプロジェクト・オーディオ・ブラウザだけに表示するには:「いいえ」をクリックします。これでプロジェクト・オーディオ・ブラウザから手動でリージョンを追加できます。

「ストリップサイレンス」のほかの使いかたについては、「ストリップサイレンス」の用途を参照してください。