Surround Panner の概要

Surround Panner を使用すると、トラックの出力信号を特定のスピーカー位置に配置できます。Surround Panner は、チャンネルストリップで直接操作することもできますが、独立したウインドウで開いた方が便利です。

同時に複数の「Surround Panner」ウインドウを開き、これらをスクリーンセットに保存することもできます。また、「Surround Panner」ウインドウにはリンクボタンも用意されています。このボタンをクリックすると、常に、選択したチャンネルストリップのサラウンドモードと現在の設定が「Surround Panner」ウインドウに表示されるようになります。

Surround Panner には、チャンネルストリップの入力フォーマットに応じた 3 つの動作モードがあります。モノラル入力/サラウンド出力(モノ->サラウンド)の場合とステレオ入力/サラウンド出力(ステレオ->サラウンド)の場合ではパラメータが異なります。入出力チャンネルともサラウンドの場合は Surround Balancer コントロールとして機能します。詳しくは、Surround Panner のパラメータを参照してください。

図。 ステレオ->サラウンドの「Surround Panner」ウインドウ

「Surround Panner」ウインドウを表示する

  • チャンネルストリップの Surround Panner コントロールをダブルクリックします。

    「Surround Panner」ウインドウにはチャンネルストリップよりも大きなサラウンドパンポットが表示され、いくつかの拡張パラメータも表示されます。

モノラル入力のチャンネルストリップで Surround Panner を使う

ソース入力がモノラルに設定されている場合は、モノ->サラウンドの Surround Panner が表示されます。詳しくは、チャンネルストリップの入力フォーマットを設定するを参照してください。

モノ->サラウンドの「Surround Panner」ウインドウの上部にあるサラウンド空間のグラフィカルコントロールでは、入力信号からスピーカー出力へのサラウンドルーティングを調整できます。サラウンド空間の下部にあるレベルスライダとフィールドでは、センターチャンネルと LFE チャンネルのレベルを個別に調整できます。拡張パラメータは、チャンネル間のセパレーションの微調整に使用します。

図。 モノ->サラウンドの「Surround Panner」ウインドウ
  • パラメータを調整して、ダイバシティとアングル、出力フォーマット、またはチャンネルセパレーション値を変更します。

ステレオ入力のチャンネルストリップで Surround Panner を使う

ソース入力がステレオに設定されている場合は、ステレオ->サラウンドの Surround Panner が表示されます。詳しくは、チャンネルストリップの入力フォーマットを設定するを参照してください。

ステレオ->サラウンドの Surround Panner はモノ->サラウンドの Surround Panner とほぼ同じものですが、L(左)信号用と R(右)信号用のパンパック、そして L と R のパックをグループ化して同時に調整するためのパンパックの、合計 3 つが表示されます。また、右上隅にはステレオ信号の広がりを調整するための「Spread」フィールドも表示されます。

図。 ステレオ->サラウンドの「Surround Panner」ウインドウ

以下のいずれかの操作を行います:

  • サラウンド空間内で L または R のパックを移動すると、もう一方のパックも対称位置へ移動します。

  • 3 番目のパックをドラッグすると、L と R の両方のパックが現在のスプレッドを維持したまま移動します。

    • パックを左右に動かすと、両方のアングルが変化します。

    • パックを上下に動かすと、ダイバシティが変化します。

    パンポット外周上のバーは、それぞれの信号ソースがどのスピーカーによって再生されるかを示しています。パックを中心に近付けると、対応するバーが長くなります(つまりダイバシティが大きくなります)。

サラウンド入力のチャンネルストリップで Surround Balancer を使う

ソース入力がサラウンドに設定されている場合は、サラウンドパンポットが Surround Balancer コントロールとして機能します。詳しくは、チャンネルストリップの入力フォーマットを設定するを参照してください。

ソースチャンネルはクロスパンまたはミキシングされることなく、対応する出力チャンネルにそのまま送られます。パンコントロール用のパックは 1 つだけで、これを使ってマルチチャンネルのソース信号全体を調整します。

Surround Balancer モードでは、セパレーションパラメータは使用できません。

図。 「Surround Balancer」ウインドウ
  • パックをドラッグして、ソース信号の相対的な音量バランスを調整します。