Binaural Panner を使う

Binaural Panner は、「詳細」環境設定で「サラウンド」を選択すると表示されます。

チャンネルストリップ出力をバイノーラルに設定すると、Binaural Panner を使ってパンニング面で信号の位置を調整できます。Binaural Panner を使った出力信号の再生には、ヘッドフォンが適しています。また、Binaural Panner の出力は、Binaural Post-Processing プラグインで処理できます。このプラグインを使うと、スピーカーでバイノーラルパン効果を作り出すことができます。

Binaural Panner でパンエフェクトを操作するには、ウインドウ上部のパンニング面でパンニングパックの位置を調整し、いくつかの追加パラメータを設定します。以下は、このウインドウの主要な要素です:

図。 「Binaural Panner」ウインドウ。
  • 「Angle」、「Elevation」、「Distance」:パックの位置を変更すると自動的に調整される情報フィールドです。

  • 「Spread」:パックの位置を変更すると自動的に調整される情報フィールドです。また、数値をドラッグして直接操作することもできます。(ここでの変更内容はパックの左右の位置にも影響します。)

  • パンニング面:パックを使ってステレオ空間イメージ内での信号の位置を調整する領域です。

  • パック:パンニング面で信号の位置(パンと方向)を調整するために使います。

  • 3D イメージ:オーディオ信号の位置調整の結果を表します。これは視覚的な形に表しているだけで、このイメージを直接操作することはできません。

  • 各モードボタン:パンニング面の仮想形状を指定します。「Planar」(平面)または「Spherical」(球体)を選択できます。

  • 「Size」フィールド:平面や球体の大きさを、円の半径で指定します。

  • 「Doppler」ボタン:ドップラー効果のオン/オフを切り替えます。ドップラー効果とは、音の出所と人間の位置が動いている場合、その人間の耳にはピッチが変わって聞こえることです。

  • 拡張パラメータ:開閉用三角ボタンをクリックすると、ヘッドフォン再生や「Planar」モードに関する追加のパラメータが表示されます。

Binaural Panner を開く

  1. チャンネルストリップの出力スロット(モノラルまたはステレオチャンネル)をクリックしたまま、ポップアップメニューから「Binaural」を選択します。

    パンノブがバイノーラル・パン・コントロールに置き換わります。

  2. バイノーラル・パン・コントロールをダブルクリックして、Binaural Panner を開きます。

    図。 「Binaural Panner」ウインドウ。

バイノーラルパン位置を調整する

  1. 右側または左側のパック(パンニングパック)をドラッグして、ステレオ空間のイメージを広げたり狭めたりします。

    この 2 つのパックは、もう 1 つの軸(上下方向)を制御する 3 番目のパックの配置とも関連します。

  2. 3 番目のパック(方向パック)をドラッグして、前後の方向を調整します。

    方向パックを動かすと、それに応じて 2 つのパンニングパックも動きます。「Angle」、「Elevation」、「Distance」、および「Spread」の値も変化します。

  3. パンニング面のモード(仮想形状)を選択します:

    • 「Planar」モードに設定すると、フラットな円盤で表示されます。

      図。 「Binaural Panner」ウインドウの「Planar」モード。
    • 「Spherical」モードに設定すると、パンニング結果が球体で表されます。この球体を人間の頭と考えることができます。方向パックを円盤の上半分に置くと、音が正面に位置します。方向パックを円盤の下半分に向かって動かすにつれ、音が上に移動し、頭を越えて、最終的に体の後方に位置します。

      図。 「Binaural Panner」ウインドウの「Spherical」モード。
  4. 以下のいずれかの操作を行って、平面または球体の大きさを設定します:

    • 「Size」フィールドの値を上下にドラッグします。

    • 「Size」フィールドをダブルクリックして、新しい値を入力します。

    • Option キーを押しながら「Size」フィールドをクリックして、デフォルト値(1.50 m)にリセットします。

  5. 「Doppler」ボタンをクリックして、ドップラー効果のオン/オフを切り替えます。

  6. 拡散音場補正によってヘッドフォン再生時のサウンドをニュートラルにするために、拡張パラメータ領域の「Diffuse-Field Compensation」チェックボックスを選択します。

    参考: 複数のチャンネルストリップで複数の Binaural Panner を使用する場合は、このオプションを無効にし、Binaural Panner の出力を Aux チャンネルストリップにルーティングして、Aux チャンネルストリップで Binaural Post-Processing プラグインを挿入してください。このプラグインを使うと、一度にすべての Binaural Panner 出力に拡散音場補正をかけることができ、CPU の負荷を軽減できます。

  7. 「Planar」モードの場合は、拡張パラメータのスライダを使って、円盤の縦方向のオフセット位置および傾きを制御します。3D イメージを見ながらパラメータを変更すると、これらの機能の操作を理解できます。