ディザアルゴリズムについて
「Logic Pro」には、プロフェッショナル向けの POW-r(Psychoacoustically Optimized Wordlength Reduction)ディザアルゴリズムおよび UV22HR ディザアルゴリズムが用意されており、24 ビットの録音データを 16 ビットに変換する場合(CD 作成時など)に使用できます。ディザリングは以下の場合に使用できます:
オーディオファイルを CD に書き込むとき
オーディオファイルをディスクにバウンスするとき
AAF ファイルを書き出すとき(プロジェクトを AAF ファイルとして書き出すを参照)
「バウンス」ダイアログでは、次のディザリングオプションを利用できます:
なし:ディザリングを行いません。
POWr #1(ディザリング):量子化ノイズを最小限に抑えるための特別なディザリング曲線を使用します。
POWr #2(ノイズシェイピング):広範囲の周波数帯にわたってさらにノイズシェイピングを行います。これによってバウンスファイルのダイナミックレンジを 5 〜 10 dB 拡大できます。
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POWr #3(ノイズシェイピング):さらに最適化されたノイズシェイピングを行います。これによって、人間の耳が最も敏感に聴き取ることのできる 2 〜 4 kHz の周波数帯のダイナミックレンジを 20 dB 拡大できます。
参考: ノイズシェイピングは、量子化ノイズを 10 kHz より上の周波数帯(人間の耳には最も聞こえにくい周波数帯)に移動することにより、ビット数を減らしたこと(ダウンサンプリング)による悪影響を最小限に抑えます。この処理は専門用語ではスペクトル移動と呼ばれます。
UV22HR:24 ビットの録音データを 16 ビットのファイルにバウンスするときに可能な最大限のサウンド分解能を実現します。
どのディザアルゴリズムが最も良い音質になるかは、使用するオーディオ素材や個人的な好みによっても異なります。ディザリングする同じオーディオ素材に対して異なるアルゴリズムを適用し、試聴した上で最も良い設定を選んでください。場合によってはディザリングをまったく使用しない方が良い結果が得られることもあります。
重要: 同一のオーディオ信号に対して複数回ディザリングを行うことは避けてください。