「ストリップサイレンス」の用途
「ストリップサイレンス」はさまざまな状況で使用できます。
バックグラウンドノイズを削除する
「ストリップサイレンス」機能は、古典的なノイズ・ゲート・エフェクトと同じ使いかたをするのが最も一般的です。途中で何度も無音になるボーカルやソロ楽器の場合は、しきい値を低めに設定すると良い結果が得られます。本来の信号を変更せず、バックグラウンドのノイズだけを削除します。
短いパーカッシブなリージョン(ドラムループ)では、テンポを変えるだけでタイムコンプレッション/タイムエクスパンションをシミュレートできます。
録音したオーディオデータの各セグメントをクオンタイズすることもできます。
録音した話し言葉を複数のセグメントに分割する
「ストリップサイレンス」を使うと、長い話し言葉をセンテンス、単語、または音節など、扱いやすい複数のセグメントに分割することができます。映画のアテレコや効果音の編集では、トラック領域でリージョンをドラッグするだけで、話し言葉のセグメントを移動したり、置き換えたりすることができます。
テンポチェンジを使うと、各音節が自動的にくっついたり離れたりするので、タイムコンプレッション/タイムエクスパンション効果をシミュレートすることができます。
ドラムループのセグメントを作成する
ドラムループを小さなセグメントに分割すると、完璧に同期を取りやすくなります。たとえば、バスドラムとスネアが完全に独立しているオーディオパッセージに「ストリップサイレンス」機能を適用すると、各ビートを分割できます。
同期を最適化する
処理に使用するコンピュータの違い、同期ソースの違い(内部信号、SMPTE コード)、テープマシンの違い、さらに理論的にはサンプラーや HDR システムの違いによって、クロック速度に差が生じることがあります。その中の 1 つを取り替えるだけで、録音されたオーディオ素材や MIDI の間に、同期の乱れが生じる可能性があります。長いオーディオリージョンの場合は特に顕著です。
短いオーディオリージョンを複数作成し、オーディオイベントおよび MIDI イベント間のトリガポイントを増やす際にも、「ストリップサイレンス」機能が役立ちます。
たとえば、この方法を使ってオーディオファイル全体を大まかに分割し、異なるパラメータを使用して、新しいリージョンを分割します。「ストリップサイレンス」機能で、さらに短いオーディオリージョンに分割します。
ファイルとリージョンを最適化する
「ストリップサイレンス」を使って、プロジェクト全体にわたって録音されたボーカルテイクなど、オーディオファイルに無音部分が含まれている場合、自動的にオーディオを切り分けてリージョンを作成できます。オーディオファイル内の不使用のリージョンまたは一部を削除して、ハードディスクの空き容量を増やすと、ファイルやリージョンの管理が簡単になります。
「ストリップサイレンス」を使って、オーディオファイルを抽出する
サンプル・ライブラリ・ディスク(CD や DVD)に大量に含まれているオーディオデータは、AIFF または WAV ファイルで保存されています。「ストリップサイレンス」を使ってこれらのオーディオデータを個々のリージョンに分割し、トラック領域で直接使用できるようにすることができます。リージョンはまた、独立したオーディオファイル(サンプル)に分割し、EXS24 mkII で利用できるようにすることもできます。