「MIDI トランスフォーム」ウインドウの例

このセクションでは、実際の使用例をいくつか挙げて「MIDI トランスフォーム」ウインドウの使いかたを説明します。

ノートのベロシティと一致する値でモジュレーションホイールコントローラのイベント(#1)を追加する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    図。 「トランスフォーム」ウインドウ。
    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントをコピーして操作を実行

    • 選択条件領域:「状況」を「ノート」に設定します。

    • 操作領域:

      • 「位置」を「追加」に設定し、その下のフィールドに「1」の値を入力します。

      • 「状況」を「固定」に設定し、その下のポップアップメニューで「コントロール」を選択します。

      • 「ピッチ」を「固定」に設定し、その下のフィールドに「1」の値を入力します。これにより、データバイト 1 が「1」の値を受信します(先頭のデータバイトにコントローライベントのコントローラ番号が設定され、モジュレーションホイールのイベントは「#1」となります)。

      参考: MIDI ノートイベントをコントローライベントに変換すると、ノートオンイベントとノートオフイベントの 2 種類のコントローライベントが作成されます。

  2. 「選択して実行」をクリックします。

これらの設定を分析すると、すべてのノートイベントが操作で選択されていることが分かります。各ノートイベントのコピーが作成されます。このコピーのノートイベントは元の位置より 1 ティック後ろに移動され、元のノートのベロシティ値を用いて CC#1(モジュレーションホイール)に変換されます。これは、データバイト 2 の値(ベロシティ)が変更されていないためです。

これは、ノートの開始位置と終了位置を自動的に 1 ティック後ろにずらして、ソースのノートイベントどうしが重ならないようにする処理です。

ノートベロシティがすべて設定済みの量に固定されているトランスフォームセットを作成する

  1. 「プリセット」ポップアップメニューから「初期化されたユーザセットを作成してください!」を選択します。

  2. 選択条件領域の「状況」ポップアップメニューを「=」に設定します。

  3. 下のポップアップメニューから「ノート」を選択します。

  4. 操作領域の「ベロシティ」ポップアップメニューで「固定」の設定を選択します。

  5. 「ベロシティ」ポップアップメニューの下に表示されているフィールドでベロシティ値を「127」に変更します。

MIDI ノートイベントを MIDI コントローラ 1 のイベントに変換する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    図。 「トランスフォーム」ウインドウに表示された、MIDI ノートイベントを MIDI コントローラ 1 のイベントに変換するための設定。
    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントに対して操作を実行

    • 選択条件領域:「状況」を「ノート」に設定します。

    • 操作領域:

      • 「状況」を「固定」に設定し、その下のポップアップメニューで「コントロール」を選択します。

      • 「ピッチ」を「固定」に設定し、その下のフィールドに「1」の値を入力します。

      参考: MIDI ノートイベントをコントローライベントに変換すると、ノートオンイベントとノートオフイベントの 2 種類のコントローライベントが作成されます。

  2. 「選択して実行」をクリックします。

MIDI ノートイベントのピッチをランダムに変更する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    図。 「トランスフォーム」ウインドウに表示された、MIDI ノートイベントのピッチをランダムに変更するための設定。
    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントに対して操作を実行

    • 選択条件領域:「状況」を「ノート」に設定します。

    • 操作領域:「ピッチ」を「+-ランダム」に設定し、その下のフィールドで基準ノートからの最大ずれ幅を設定します。「12」の値を設定すると、オクターブ上オクターブ下(つまり、基準ノートを中心に全体で 2 オクターブ)の範囲が設定されます。

  2. 「選択して実行」をクリックします。

    ヒント: ランダム設定を上または下のどちらのか方向に限定するには、ノートの範囲を限定するほかのランダムオプションを使用します。

編集操作用にノートを選択する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    • 選択条件領域:

      • 「状況」を「ノート」に設定します。

      • 「位置」を「範囲内」に設定して、範囲を選択します。

    図。 「トランスフォーム」ウインドウに表示された、編集操作用にノートを選択するための設定。
  2. 「選択のみ」ボタンをクリックします。

指定した範囲内のノートがすべて選択され、カットや移動などの編集操作ができるようになります。

MIDI リージョンから音量イベント(MIDI CC#7)を削除する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    図。 「トランスフォーム」ウインドウに表示された、MIDI リージョンから音量イベントを削除するための設定。
    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントを削除

    • 選択条件領域:

      • 「状況」を「コントロール」に設定します。

      • 「データバイト 1」に「7」の値を設定します。

  2. 「選択して実行」をクリックします。

リージョンからコントローライベントをすべて削除する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントを削除

    • 選択条件領域:「状況」を「コントロール」に設定します。

  2. 変換する MIDI リージョンを選択し、「選択して実行」をクリックします。

1 つのピッチのノートから上昇ピッチパターンを作成する

  1. 「MIDI トランスフォーム」ウインドウで以下の設定を選択します:

    図。 「トランスフォーム」ウインドウに表示された、1 つのピッチのノートから上昇ピッチパターンを作成するための設定。
    • 「モード」ポップアップメニュー:選択したイベントに対して操作を実行

    • 選択条件領域:

      • 「状況」を「ノート」に設定します。

      • 「位置」を「範囲内」に設定して、範囲を指定します。クレッシェンドには開始位置と終了位置が必要なため、「クレッシェンド」を使用するには「位置」の選択条件に「範囲内」を指定する必要があります。

    • 操作領域:「ピッチ」を「クレッシェンド」に設定し、その下のフィールドに「D0」と「G6」の値を入力します。

  2. 「選択して実行」をクリックします。

ステップエディタで「2 倍の速度」プリセットを試す

この例は、4/4 のドラムパターンのキック、スネア、ハイハット、その他のパーカッション音からなるリージョンをステップエディタで表示したものです。

  1. 「名前」カラムでドラムサウンドをクリックします。

    リージョン内の特定のピッチのノートイベントがすべて選択されます。

  2. 「位置」フィールドと異なる値を「長さ」フィールドに設定します(または、逆に、「位置」フィールドの値を変更します)。

  3. その他のドラムまたはパーカッション音についても、同じ操作を行います。

    予想もしなかった不思議なポリリズムが生まれます。

これは、同じリージョンに対して同じ変換操作を複数回加えた例です。ほかにも、異なるトランスフォームプリセットを組み合わせて(交互に使うことで)、ある種の効果を作り出すことができます。